全国削ろう会 飛騨高山大会」の折に、参加された愛知県江南市の「宮大工」さん
その後、何度か訪ねてきてくださって「手道具や刃物」を購入いただいてる
奥飛騨温泉に行く途中に、「久しぶりに来たから・・・」って立ち寄ってくださった(^^)
自分より3歳ほど年下とだそうだけど・・・神社やお寺の造営に携わり技術はもちろん
「道具」に対する造詣が深く・・・ついつい長話をすることになる(笑)
また魚釣りや山行が趣味で、飛騨の河川で入ったことないのは「尾上郷」だけと
豪語されるほど、飛騨の地勢や自然・風景にも詳しい方なのです
「道具談義」からはじまり、天然木や樹種の話・・・話題は尽きず(^^) この日も
2時間半ほど二人でおしゃべり・・・
思いついたように・・・「チョッと古い、内丸鉋と槍鉋車に積んでるけど、見る??」
って、さりげなく言われるので・・・もちろん
代々宮大工のご家系らしく、4代まえのご先祖が使ってた「内丸鉋」、明治時代の
道具だそうで・・・当時の刃物は薄い1枚刃ということで、その特徴がよく残って
お手入れもしっかりしてあり、いまだ現役の道具(130年くらい前のものらしい)
この「槍鉋」は、50年ほど前に「土佐山田」の名工が80歳代最後に請けた注文品
三丁のうちの1本で、40年ほど前に非売品だったのをお願いして手に入れた物
鞘や藤巻の柄もご自分で作られて・・・(^^)
刃物の手入れや、研ぎ具合をみれば・・・その方の技量やどんな方なのか? すぐ
わかるものです(^^)
砥石談義なったので・・・うちの秘蔵の道具も見てもらいました
京都産出の天然砥石「巣板 蓮華」の大判
たぶん、現在ではまずこんな大きさのものは採掘不可能でしょうね
先代が、50年ほど前に手に入れた「天然砥石」
30年ほど前に、ある「刀匠」から、「100数十万円で売ってほしい!」と言われ
ましたが・・・迷いましたが(笑) お断りしちゃって
実際、どのくらいの価値なのかはわかりません
これは、明治時代の高山在住の棟梁の「一文字墨坪」・・飛騨地域特有の形です
130年ほど前に作られ、実際に使われてたもので・・・朱の墨用の墨坪です
そしてもう1点・・・これは道具ではありませんが、江戸時代の名工「松田亮長」作の
「煙草印籠」
「亮長」も根付や彫刻などで超有名ですが、これを依頼して作らせたお方こそ
江戸時代国学の大家、伊勢松坂の「本居宣長」の門弟、飛騨国学者「田中大秀」翁の
名入りの「煙草印籠」なのです
50年ほど前に、先代の多治見の友人が「これは高山にあるべきものでしょう!」と
譲ってくださったものなんです
江戸の後期に、田中大秀翁が「飛騨総社」を再興された頃、松田亮長は総社の屋台を
建立しましたが・・・二人の間に「亮長チャン、俺に印籠彫って・・・」、「いいよ^^}なんて
会話があったのか??想像するだけで楽しいね
現代の宮大工さんと「あーだ、こーだ」とたっぷりお話して・・・
昼前、「あ~楽しかった! また来るよ!!」って彼は去って行きました(笑)
同世代で、共通の認識がありおまけに波長もあうようで、お互いに「知識の引き出し」
全開にして・・・楽しい時間でしたよ